『事故物件 ゾクッ!恐い間取り』は、実際に存在する“事故物件”をテーマにしたホラー作品で、前作『事故物件 恐い間取り』の続編となります。今作も前作同様、松原タニシ氏の実体験をもとにしたエピソードを映像化しており、観る者をゾクリとさせる恐怖演出が話題となっています。
桑田ヤヒロ:渡辺翔太(Snow Man)
春原花鈴:畑芽育
藤吉清:吉田鋼太郎
※ネタバレを含みますので、ダメなかたはごめんなさい。

記事の最後には動画もあるので、良ければ見ていって下さい。
ストーリー
工場でまじめに働いていたヤヒロは、ある日山中社長に製造主任にならないかと打診されます。しかし、ヤヒロはタレントという夢をあきらめられないと言い、最後のチャンスだからと上京を決めます。
山中社長から紹介されたフジプロという芸能事務所に行くと、社長の藤吉と会います。タレントになりたいことを伝えると、「まずは住みますからだな」と最初の仕事をすることに。
必ずとり憑かれる部屋
1件目の物件。ヤヒロが「事故物件住みますタレント」として注目されるきっかけになった部屋が“必ず取り憑かれる部屋”でした。 入って早々何かがいる…。
住みますタレントの仕事だけではなく、藤吉からCMエキストラの連絡もきます。
海辺での撮影で、メインにはアイドルの亀梨和也が起用されていました。
撮影後、ヤヒロは社長の藤吉に呼ばれて食事に行っていましたが、ヤヒロのギャラから支払わさせていました。藤吉はもう1軒行こう!とある建物に走っていきます。追いかけた先のスナックに入店するも、藤吉の姿はありませんでした。緊張しながら席に着くと、エキストラの撮影で出会った女性…花鈴と再会。
練習に付き合うくらいに仲良くなり、ヤヒロの家にもきていたのですが、幽霊からちょっかいを掛けられます。
ヤヒロはテレビ局でオーデションに参加し、「事故物件に住んでいます」と自己紹介。審査員としてヤヒロを見ていた心霊研究家の神室は、ヤヒロの顔写真に黒い影があるのに気づきます。
さらに動画を撮っていたスタッフが、ヤヒロの肩に手がのっていることに気付き驚いていました。
オーディション終了後、神室から忠告の言葉と、名刺を渡されました。
事故物件での様子を配信するヤヒロ。ガッツリと心霊現象が映っていて活動の手ごたえを感じていましたが、不穏な気配は強くなっていきます。
いよいよ女の幽霊を鏡に見てしまい、驚いて鏡を破壊。その奥の空間にあやしげな呪物を見つけてしまい、名刺をくれた心霊研究科の神室を頼ります。
神室から質の悪い呪物であると告げられ、引っ越しをすすめられたヤヒロはネカフェ生活を送ることになるのでした。


旅館
2件目は、幽霊が出ると言われる旅館。心霊番組のレポーターをやらないかというオファーがあり、ヤヒロは喜びます。
番組スタッフたちと一緒にバスで栃木にある旅館を訪れると、そこの主人の言動が妙な様子。「大広間も2階も使ってはダメ」と言われてしまいます。打ち合わせ済みのはずなのに?
しかし、お金をちらつかせて再度交渉すると、主人は奥の部屋に行き、「わるさしちゃだめですよ」と誰もいない部屋で語りかけ、何度も大笑い。その後スタッフたちにOKを出します。
ヤヒロは部屋で台本に目を通していましたが、頭上からドン、ドン、ドン!と大きな音が響きます。2階に様子を見に行くと、白いワンピースの少女を目撃。スタッフに伝えるも相手にされません。
番組が始まると、女の声が入ったり、ヤヒロが知らないはずの少女の過去を語りだすなど不可解な現象が起こります。
ヤヒロのは演技だと思われてそのまま収録は終わります。
住みますタレントなので…と、そのまま旅館に泊まるヤヒロを置いて、番組スタッフはバスで帰ります。
お風呂に入ろうとしたら、窓の外に少女を見つけ急いで部屋へ戻ります。
頭上からまたドン、ドン!と響く音の正体を探る為、一人2階へ進みます。音が響き続ける奥の部屋の扉を開けると、女性が少女を押さえつけている場面。音の正体はもがき苦しむ少女の物でした。ヤヒロに気付いた女性がこちらに迫ってきたところで、目を覚ますヤヒロ。
宿の主人に奥の扉の事を尋ねるも、「忘れろ」と返されるだけでした。
扉の前に供え物を置いて、ヤヒロは宿を出るのでした。
シェアハウス
花鈴がしばらくロケに行くので、位置情報アプリを共有することにした2人。
ヤヒロは藤吉と喫茶店で会いますが、まだギャラは入りそうに無いので不満顔のヤヒロ。
次の事故物件探しをすると、あるシェアハウスを紹介される。オンラインの顔合わせで住民…拓海と海斗と話していると、階段に佇むおばあさんの影を目撃。しかし住民たちは幽霊は出ないと言う。
そうしてシェアハウスに越してきたヤヒロ。シェアハウスでのルールで「女の子を連れ込むのは禁止」とありますが、夜になぜか隣からおばあさんの声がする…。
本当に幽霊がいないのか試そうと、拓海と海斗に言い、読んでいた降霊術の本を参考にして降霊を試すことにする。
動き出した10円玉に疑いを抱きながらも質問をしていくと、異常事態も起きてその場はパニック。海斗の頭上の天井から血が滴り、笑いだす海斗。
神室に相談すると、「この子はやっかいなのに取りつかれている。」と言われます。
ある夜、ヤヒロがゴミ出しをしに外に出ると、屋上に海斗の姿を見つけます。ヤヒロは叫びますが、海斗はうつろな目をしています。直後背後からおばあさんの幽霊に抱き着かれ、海斗は屋上から転落。
その後、このシェアハウスの住民の女性が屋上から飛び降りたという話を聞くのでした。
海斗は一命を取りとめたものの、ヤヒロは降霊術を行なったことで友人を心霊現象に巻き込んだと後悔しました。
ヤヒロは事務所で藤吉に「僕があそこ行かなければ…」と話します。
藤吉は「幽霊も優しいやつに惹かれるんだろう。だから俺はお前を選んだんだ。」と言いました。
花鈴と久しぶりにカフェで会いますが、現在のヤヒロはまたネカフェ暮らし。そんなヤヒロに花鈴は自分の家に来るかと誘います。
花鈴は、一緒に生活を始めたヤヒロにタレントを目指す理由について尋ねました。
小学生の時に父親が亡くなって母親と2人になったた時、デパートであるタレントさんが来て話をしてくれた。
『大変な道を選べ。そうすると人に優しくなれる。』と。
その言葉に励まされ、タレントを目指すようになったとヤヒロが語ります。
ヤヒロも花鈴に尋ねますが、花鈴は答えませんでした。
事故物件4件目
花鈴の家で生活をするようになりましたが、何かの気配を感じることも。
大雨の夜、ひどく泣いて取り乱す花鈴。心配して声を掛けるヤヒロの事も拒絶します。
家を留守にしても家にいたと答えたり、不審な行動に違和感を抱きはじめるヤヒロ。
花鈴の部屋に入り、勝手にノートを探ったり、ネットで調べますが情報がありません。するとすぐ後ろに花鈴が立っており、「君は何者なんだ?」と尋ねると花鈴は家を出て行ってしまいました。
その後、母親が倒れたという報せを聞いたヤヒロは、福岡に帰ろうとします。藤吉に連絡をしますがつながらず、そもそも名刺の藤吉という名前が別の名前に書き換わっていたことを知って驚きます。
雨の中ずぶ濡れで戻ってきた花鈴が、自分の過去を話し出します。
母親がスナックで働いていて男を作って出て行ったこと。父親との二人暮らしがとても幸せだったこと。母と愛人の男が、自分を連れて行こうとした末に起きた出来事など…。結果的に父親が人を殺してしまった為、刑務所に。働き始めても辛い思いをしてきたと打ち明けました。ヤヒロは、「よく頑張った」と声をかけ、これからは一緒に生きよう…と寄り添いました。
2人で福岡へ行こうと花鈴の家を出ようとしましたが、そこで何かに憑依された花鈴は1人で飛び出して行ってしまいます。
ヤヒロも急いで後を追い、たどり着いたのは古びたアパート。中に入ると、布団に横たわる藤吉の遺体と、かりんの姿が。「お父さん…」とつぶやく花鈴。
今までの不可解だったことを思い出すヤヒロ。
藤吉はヤヒロとしか話をしていなかったこと、喫茶店の水とメニュー。事務所も本当はガランとしていたのでした。
娘を心配する藤吉の幽霊により、引き寄せられたのでしょうか?
その後、藤吉の葬儀が終わると、ヤヒロは「住みますタレント」を続行する事にしました。(母親も回復した様子。)
テレビ局でエレベーター待ちをしていると、何と憧れのタレントさんがやってきて一緒に乗り込みます。挨拶をして嬉しい気持ちでいっぱいのヤヒロがエレベーターから降りて振り返ると、青白い子どもと目が合うのでした。
映画の感想
良かったところ
主人公のヤヒロ。夢を追いかけてきっとこれから険しい道なんだろうと思いましたが、事務所を紹介してもらったり、いい感じに恋人?友人ができたり。いい縁に恵まれて…、というか引き寄せられているんでしょうか。
特に、事故物件に住む状況で心霊研究家さんから名刺もらえるのってすごく心強い。
ヤヒロの人柄もすごく好感の持てる人物なので、応援したくなりました。幽霊も引き寄せられるんですね。
取り憑かれてるな、この子…と目に止まったのもあるのでしょうが、番組の仕事も貰えたりと、チャンスがはやいうちにきていましたね。
幽霊も最初からガッツリ登場しますが、まさにホラー!幽霊!という女性の霊だったり、子どもやおばあさんも。そして懐かしの映画、シックスセンスを思わせるような、自分にだけ見えている霊。本当はこの人霊でした…という結末も。降霊術もやったりと、ホラーをとにかく詰め込んだ作品でしたね。
疑問に感じたところ
謎な部分としては…。
幽霊の藤吉の誘導(?)もあり、花鈴と出会いますが、位置情報の共有をしたり家に招いたりと、そこまでして大丈夫?と感じてしまう所はありました。意気投合したのかもしれないけど。
事故物件に対しての怖さや、実際霊現象に遭遇したヤヒロの反応が驚きはするけれど、そこまで動揺したり「もうやだ!」といった風にはならないので、相当肝が据わっている人なんだろうか?と思ってしまった。
だって1件目で嚙まれていますよ?それで普通に住もうとしているし。
旅館の2階からする大きな音を探る時に、ずーっと大音量で響き続けるのはしんどいと感じてしましました。じりじりと謎の部屋に向かっていく恐怖はあるのですが、響く音響で疲れてしまう部分もありました。
タレントのお仕事。藤吉さんは幽霊だったから、そもそもの話一人で頑張っていたわけですよね?上京するためにある程度のお金は持ってきていると思いますが、事故物件も短期で引っ越ししたらお金もかかると思ったのですが…。違約金とか手数料とか。そのあたりは大丈夫だったのかな?
藤吉さんが亡くなったのがいつなのか?
ヤヒロが上京してきた時にはもう幽霊だったとしても、藤吉の遺体がそこまでひどくないようだったのでそこまで時間は経過していないのか。最初の藤吉さんは寝たきりで生霊をとばしていたのかな?
観た感想は人それぞれあると思いますが。
私は前作よりも恐いホラー映画になっていたと思います。