こちらは映画を観た感想です。 ※ネタバレを含みます。
2025年3月14日に公開されたモノノ怪~火鼠~。気になる大奥の様子や新たに出てくる怪異についても気になるところです。
前作で唐傘の騒動を解決した薬売りでしたが、まだモノノ怪はいる様子で七つ口(出入り口)に滞在。
大奥の最高職位・御年寄になった大友ボタンは規律と均衡を重んじて動きます。その結果、天子の寵愛を一身に受ける御中臈・フキとの間に亀裂が生じ、両者の溝は深まるばかりに。そんな中、人体発火事件が相次ぎ、薬売りはモノノ怪の「形」「真」「理」を突き止めるべく行動します。
前作、唐傘の後の作品ですが、今作から見ても楽しめる映画でした。
物語の最初に老中大友(ボタンの父)達が悪い顔で話し込んでいたのですが、登場人物について下調べもしてなかった私はちょっと混乱しました。切り捨てられる人、企み事をする人といましたが、登場人物の紹介を一読しておけば良かったかも(汗)。それでも、話が進むうちに把握できていきました。
「キャラクターの衣装も皆個性が出ていてすごいな」「この人悪役っぽいな」といろんな感想を抱きながら観はじめたら、お医者様が強烈なビジュで驚いた…。お金数えてるし耳にはどでかい目玉のピアス?付けてるし…。
「絶対なんかやらかす人だ…」と、勝手ながら思ってた。いい人ではなかったなやっぱり。
後の後継争いの火種になるからと企む人がいるのは分かるけれど、せっかくの子どもを安心して産めないのがつらいですね。
前作からも登場している大友ボタン。
厳しいけれど、父親に反発してでも自分の正しいと思うことを通していました。責任のある役職に就いて大奥の為にと動くからこそフキとぶつかったりしていましたが、毒について警告したり身重のフキの為に薬売りに対応を任せたり・・・。話が進むにつれてどんどん好きになりました。
「大奥を守れ」という父親の言葉を忠実に守ろうとしたボタン。しかし父の考えは全く違う物だったと知った時のショックは辛かっただろうに、毅然とした態度で反論する姿はかっこよかった。
天子に見初められて御中臈になったフキ。大奥で今の地位になるまでに貧しい生活があったからこそ、自分の立場を優位にしたい…という思いもあったのかもしれませんね。
心配してくれる家族の存在や、火鼠の騒動ですずさんの記憶を見た事で、権力というよりも子どもへの想いが強くなったようにも感じました。
そしてやっぱり薬売りさんはかっこいい。駆けつけたり火鼠をいなしたりとアクションシーンもすごいです。戦闘シーンは正直何がどうなっているのか細部まで分からない程の立ち回りですが…。あれは絶対音楽も映像も映画館で観るのがおすすめです。
そんな大迫力のアクションシーンでしたが、切なさも同時に感じてしまいました。「理」が本当につらかった…。
すずさんの「お家のために」と動いた結果、身を焦がすほどの情念をもってしまったのも、すごく納得できる話でした。
小説版ではもっと登場人物たちの心情も語られているので、さらに楽しめると思います↓
次回作は「蛇神」との事で、また楽しみに待ちます。お水様の件がもっと映画の中で語られたりするのかな?と思ったら謎のままだったので、次回はどんなものか判明するのでしょうか?