『LUPIN THE IIIRD不死身の血族』を観てきたので、紹介・感想になります。
記事の前半ではLUPIN THE IIIRDシリーズの振りを。後半に『不死身の血族』の感想が書かれています。
※ネタバレもありますのでダメな方は注意。
子どものころからよく観ていたルパン三世シリーズは、アクションとコメディが絶妙に絡み合った魅力があり、家族で楽しんでいました。
特に、ルパンや次元、五ェ門、不二子、銭形などのキャラクターは、作品に欠かせない存在であり、彼らの関係性が生み出すストーリーは多くのファンを惹きつけています。 ルパン三世はただの盗みを描く物語ではなく、あっと驚く技や作戦を披露して楽しませてくれます。
LUPINTHEIIIRDシリーズ
映画『LUPIN THE IIIRD』シリーズは原作のルパン三世を基にしつつも、スタイリッシュな映像とアクション要素が際立っています。
次元大介の墓標
次元とルパンは宝を求め、東西に分裂されたドロアという国の東ドロアに潜入するが、その途中に狙撃されてしまいます。
その銃弾は、次元がボディーガードを請け負ったクイーン=マルタが西ドロアで暗殺されたものと同じだった。心当たりのある次元はルパンと共に墓地を訪れると、そこには「JIGEN DAISUKE」と記された墓。
この作品では、ルパン三世の“相棒”としての次元ではなく、一人の男・一流のガンマンとしての次元大介が描かれています。寡黙で義理堅い彼の人間味、プロとしての信念にしびれるファンも多いです。
静寂の中の緊張の一瞬!という勝負もあり、ハチャメチャなカーチェイスもありと、「あっ、ルパンだな!」と思えるシーンもちゃんとありました。
不二子は潜入先でかなり危ない目にあってしまい、全裸で命の危機に!?というシーンもあり驚きましたが、しっかり逃げだすチャンスは見逃しません。さすが。
スナイパー同士の心理戦・銃撃戦はスリル満点で、ヤエル奥崎との一騎打ちは「静かな緊張」と「一瞬の決着」が見事に描かれ、まさに“プロ同士の死闘”。
従来のルパンシリーズよりもシリアスで、渋さが際立ちます。
血煙の石川五ェ門
剣術の腕を買われた五ェ門は、伊豆半島を根城にするヤクザの用心棒として雇われる。
同じ頃、ルパンと次元は盗みのため賭博船の金庫に侵入し、先回りしていた不二子と出会う。ルパンと不二子は売上金を山分けすることにしたが、直後に賭博船が爆発する。爆発の原因は斧を武器に使う大男だった。一旦は大男を追いつめた五ェ門だったが逃げられてしまう。一方、賭博船から金を奪うことに成功したルパン三世と次元大介、峰不二子は、洋上のボートからその様子を目撃する。
大男…ホークの狙いはルパン、次元、不二子の3人だった。
裏切り者の汚名を掛けられた五ェ門も、その屈辱を晴らすためホークを追うが圧倒的な強さを見せつけられてしまう。
思った以上に流血描写が多いな…と思ったら、終盤のほうではガッツリ肉が削がれてるシーンまであって「ここまで!?え!?それ直るの??!」と驚きでした。
なんでも切ってしまう剣の達人というイメージの五エ門が、どのように修行してきたか?
銭形警部や次元、不二子といったお馴染みのキャラクター達も登場し、ストーリーを盛り上げます。
峰不二子の嘘
5億ドルを横領し殺し屋に命を奪われたランディ。その息子で5億ドルの鍵を握る病弱な少年・ジーンとともに逃走する不二子は、人の心を操る不気味な男・ビンカムに追跡される。大金を狙って現れたルパンと次元に救われるが、ビンカムの技にルパンも追い詰められてしまう。
子どもを気遣いながら逃げる不二子。金目的であることは想像できるのですが、駄々をこねる子をたしなめたり叱ったりと、いつもとは違う不二子ちゃんが観れて楽しめました。
頭を使って切り抜けたり、出し抜いたりするイメージの強い不二子ですが、アクションシーンもしっかりあってかっこよかったです。
銭形と2人のルパン
劇場版『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』の前日譚で、銭形警部を主人公に据えた作品。
銭形警部はロビエト連邦の空港で爆破テロに遭遇し、逃げた犯人の顔がルパン三世だったことに驚く。その場は見失うが、今度は駅で別の“ルパン”を発見し列車内で拘束するも脱走を許してしまう。
一方、峰不二子はサーカス団に潜入し、空中ブランコの乗り手として最高指導者ブレーリンの寵愛を受けていた。
軍縮条約パレードを目前に控え、国家保安委員会のカラシコフはルパンをテロ実行犯かつアルカ合衆国のスパイと断定し追跡するが、銭形は疑念を抱いていた。
そして、首都で国家保安委員会に追い詰められたルパンの前に立ちはだかったのは、彼の無実を信じる銭形だったが、そこにも爆弾犯の手が…。
物語全体が緊迫感のあるダークな感じがありました。銭形警部の追跡力・観察眼が非常に鋭く、変装したルパンを見抜いたり、事件の真相にたどり着くなど非常に良いドラマでした。
偽ルパンは不気味さもあり、けっきょく正体は?というところがスッキリしませんでしたが、今後の物語への期待も膨らむような作品でした。
映画不死身の血族
あらすじ
ルパンと次元、不二子、五エ門たちは、これまで自分達に刺客を送り続けてきた黒幕の正体と隠された財宝を追い求めて、バミューダ海域にある「世界地図に存在しない島」に向かうが、島に近づいたところで飛行機が撃墜される。
一行が不時着した島は朽ちた兵器やミサイルなどが放置されていた。そこではかつて兵器として使われていた「ゴミ人間」達が徘徊しており、さらには24時間以内に死をもたらす毒が充満するという終末的な場所だった。
島の支配者ムオムは不老不死を掲げて世界の支配を目論んでおり、銃で撃ってもすぐに復活してしまう。
ルパン達は24時間以内に脱出するため、「不死身の敵」であるムオムに戦いを挑む。
感想
今までのサードシリーズの中でも影がみえていましたが、ムオムを生み出し陰から操っていた黒幕として登場するのが、劇場版第1作『ルパンVS複製人間(クローン)』(1978)で強烈な印象を残した宿敵マモー。
つまりこの映画の続きが、複製人間(クローン)の映画…という形になるのですね。
不死身の血族の予告でムオムを見た時…

マモーにどこか似てるな。なんかすっごくビジュアル強烈!!
(不気味)
と感じました。映画館の大きなスクリーンで見るとさらに不気味さアップ?
料理が上手くて空手(?)格闘技もめちゃくちゃできる今回のラスボスさん。空手の型(舞?)をたくさん披露してくれるすごい奴なのでした。
ルパンたちを襲ってくるゴミ人間も強烈な見た目をしていてやっぱり不気味。
公式の紹介でルウオ/フウア…については人間のようで人間ではないと書かれていたし謎過ぎる…。
(不二子を襲ってきたビンカムもこいつらみたいに特殊な育て方をされたのかな?)
五エ門と戦ったホーク、次元と戦ったヤエル奥崎も登場していましたが、ルパンたちを殺すという任務に失敗して、この島に送られてしまったらしい。
後半ではこのヤエル奥崎、めちゃくちゃ加勢してくれてかっこよかったのですが、彼の終わり方がつらかった。この人がいなきゃ絶対全滅していたわ。
最終的にムオムを倒すことができ、強烈な敵キャラさんも島の崩壊(??)に巻き込まれていくのですが、ルパンたちが戦って倒すのではなくてこういう終わり方かぁ…という感想でした。
めっちゃ遠くから狙ってくる弓使いについては、「あなた誰からも姿を認識されていないままでは?」と、ツッコミたくなりましたが。(笑)
不死身というムオムのカラクリも、複製人間と近いものを感じました。島の秘密について、映画前半にちゃんと暗示させるところはありました。
かっこよく戦う…と言うより、強烈な敵に追い詰められていくルパンたち…という印象が強い映画でした。
もちろん真実にたどり着けたルパンはすごい!島に着いた時から感じた違和感もしっかり冷静に分析しているところがさすがです。
欲を言うと、不二子の活躍をもっと見たかった…。お色気シーンはしっかりあるのですが、かっこよくお宝を奪う・相手を出し抜くかっこいい不二子は残念ながら見れなかった。
サリファを追って地下空間に行った不二子。サリファが付けているカメラから、監視する存在には気づいたみたいでしたが島からどうやって脱出したのか?なぜサリファは何人もいたのか?それもクローンだというのかと、すごく謎でした。