在宅でできて、時間の融通が利く仕事。家族の介護や子育てをする人にとって、これほど魅力的な言葉はないかもしれません。私もその一人でした。
決まった時間に働くことが難しく、ずっと不安を感じていました。
そんな中で見つけたのが、DM送信の仕事です。
時間は自由、在宅でできるという条件に惹かれ、「これなら自分の生活に合うかもしれない」と思い、実際に挑戦してみることにしました。
しかし、実際にやってみて分かったのは、想像していたものとは違う現実でした。指示通りに送ろうと思っても、送れない…。調べるだけで時間ばかりが過ぎていきました。
この記事では、DM送信の仕事を在宅でやってみた体験を、良い点もきつかった点も含めて正直に書いています。
在宅で時間の融通が利く仕事を求めて…
家族への支援や、介護が必要な状況の中…私は在宅でできる仕事を探していました。
決まった時間に働くスタイルだと、急な予定に対応できないかもしれないという不安が常にあったからです。
つきっきりで手が必要な訳ではない。「大丈夫だから自分の仕事を考えて」と家族は言ってくれるものの、突然手伝いが必要になる出来事があったり、時間を取られることが今まで何度もあったため、パートという形だったとしても急な休みばかりでは会社側に迷惑になるのでは?と考えてしまいました。
そのため決まった時間に拘束されるのではなく、急な予定が入ったら作業時間をずらせる仕事…できれば早朝や夜にも作業ができる仕事が理想でした。
在宅求人は多いが、時間固定の仕事が多い現実
しかし実際に在宅ワークを探し始めてみると、その理想と現実には大きな差がありました。
在宅の仕事はたくさん募集されています。
ただ、内容をよく見てみると、1日6時間勤務で1時間休憩といったように、時間がしっかり決められているものが非常に多いのです。
「在宅」「簡単作業」と書かれていても、介護の合間に4時間、5時間と集中できるかどうかは分かりません。
現実的に考えると、まとまった時間を毎日確保するのは難しいと感じました。
歩合制なら合うかもと思い応募した仕事
そんな中で目に留まったのが、やった分だけ報酬がもらえる歩合制の仕事でした。
最初に応募したのは、歩合制で行う書類の確認作業でした。
専用のシステムが用意されており、作業した分はきちんとカウントされる仕組みです。
説明を聞いた時点では、難しい作業ではなさそうで、隙間時間にできそうだと感じました。
「これなら続けられるかもしれない」
そう思って応募しました。
実際にやってみて分かった想像以上の負担
書類の画像を見ながら、該当するキーワードがあるかどうかを確認する作業は、一見すると簡単そうに思えました。中には一目で判断できる画像もあり、最初はそれほど負担を感じませんでした。
しかし、カタカナがびっしりと書かれた画像になると状況は一変します。
拡大しても文字が読みにくく、目の疲れが一気に出てきました。
作業時間にもばらつきがあり、5分で終わるものもあれば、15分かかってしまうものもあります。
難しくはない作業なので、2時間くらいは集中できるだろうと軽く考えていましたが、現実は違いました。
そして画像を1つ確認すると〇円と言うように決まっているのは応募の時点で知っていたのですが、
実際に1時間作業をした報酬は40円でした。時給…40円…。
正直、その金額を見たときは言葉が出ませんでした。
もっとテンポよく作業が進むと思っていたのに、目の疲れと集中力の低下で思うように進みません。
作業そのものよりも、気持ちの方が先に折れてしまいました。
ダイレクトメール送信の仕事
次に応募したのが、DM送信の仕事です。
指定された企業に、決められた文章を送る作業で、作業時間は完全に自由でした。
さらに時給制で、時給は千円を少し超える金額。
時間が自由で、きちんと時給が発生する点に大きな魅力を感じ、採用の連絡をもらったときは素直に嬉しかったです。
DM送信作業で直面した現実
実際に作業を始めてみると、すぐに現実に直面しました。
企業を調べても、問い合わせフォームが無いところが非常に多かったのです。
電話受付のみの企業や、個人情報の入力が必須で送信できないケースも多く、調べている時間ばかりが過ぎていきました。
担当者さんからは、1時間で20件ほど送れると言われていましたが、実際には1時間で20件調べて、送信できたのは8件だけでした。
この時は、本当に気持ちが沈みました。
笹菜1日で限界を感じ、正直に担当者さんに相談しました…。
力不足であることを謝罪し、作業で感じている悩みを正直に伝えました。
「なんでこんなにできないんですか??」…と言われるだろうとハラハラしていたのですが、どこでつまづいているのか?をしっかり担当さんも聞いてくれ、担当の内容を変えてもう一度やってみませんか?と提案してくれました。
私が検索した会社が、問い合わせフォームが用意されていない所が多かった為、探すだけで時間を取ってしまっていた事を納得してくれました。それでもノルマの半分もいかない…。こんなに送信できないものかと本当に心が折れました。
そうして翌日、担当の内容(ジャンル)を変えてもらい、改めてPCで作業スタート。
2時間で…………8件。(ノルマが1時間で20件)調べたのは38件



もう焦りやら悲しさやらすごかった。
ぜんぜんノルマに届かないのにこのまま継続はできません…と、担当者の方にお伝えし、この時点で辞退させてもらう事になりました。
時間が自由という点は確かに魅力的でしたが、ノルマとのギャップや精神的な負担は想像以上でした。
DMメール送信の仕事をやって感じた本音
DMメール送信の仕事は、在宅でできて時間の自由度が高い仕事です。
一方で、問い合わせフォームを探す手間や、思うように進まない作業によるストレスは大きいものです。
インスタやXの方が、もっと送信作業としては数がこなせるのかもしれませんが、私の勝手な想像でSNSに手を出すのが不安というのもあり避けていました。
HPの問い合わせページの記入欄…。だいたいの所が、
名前・ふりがな・郵便番号・都道府県・市町村・内容
…と細かく分かれて記入するので、コピぺをするにしても細かく入れる必要があります。
簡単に定形文を張り付けると思ったら、ここでも思った以上の細々した作業。
送信者名から内容までをまとめて一回でペタ!っとコピー&貼り付けができるわけではありません。
そして、「定形文があるなら…」「調べて送るだけなら…」と思っていても、会社のHPを見たら5件中1件しか送信できないことも。
きつかった点としては…
求人サイトが更新されればもちろん順番も変わるから分かりにくい。
正社員・パートと言ったように、同じ会社の求人が複数ある。
「さっき調べた会社だ。」「あれ?こっちの会社は名前に憶えがあるけどもう見た所だったっけ?一昨日やったような…?」と確認も必要。
今回DMを送信する対象の会社は、求人募集をしている会社をあたっていくものだったので、空振りの会社があった場合、後でまた重複して調べたりしないように一応メモもしていました。
この募集。説明では「慣れればできる」「最初は誰でも大変」と言われがちですが、実際に求められているハードルはかなり高いと感じました。
もしかしたら、単に私が問い合わせページの無い会社ばかりをひいてしまったのかもしれませんが…。
在宅ワークは魅力的に見えますが、介護や家族のサポートと両立する場合、精神的な余裕がとても重要だと実感しました。時間の融通もきくから安心…と思ったのに、ひどく焦って余裕を無くしていました。
急な用事には対応しやすく時間をずらして取り組むこともできるのはありがたかったですが、あんなに必死に調べたのに結果が出せないのは辛かったです。
まとめ|
DMを送信する為に対象の会社を調べても、問い合わせ先が無い会社ばかりという状況。これはもう、作業者側ではどうにもならない要素です。どれだけ真面目に調べても、フォームが無ければ送れない。
電話のみ、個人情報必須、そもそも窓口が存在しない。この時点で、ノルマ達成は構造的に難しい仕事でした。
実際にやってみないと分からないことも多く、この体験談が同じような状況で仕事を探している方の参考になれば嬉しいです。
